ECSとCBDの効能

ECS(エンドカンナビノイド・システム)は、いわば細胞間のコミュニケーションシステムです。これが円滑に行われることで、体温や血液量、血液成分などが適正に保たれ、健康を維持することができます。コミュニケーションに主要な役割を果たすのが、体内で生成される内因性カンナビノイドと呼ばれる神経伝達物質と、それを受け取るカンナビノイド受容体(CB1とCB2)です。内因性カンナビノイドとカンナビノイド受容体の量に応じて、炎症や免疫が調整され健康が保たれます。

ところがストレスや老化、栄養障害、運動不足、睡眠不足などにより、内因性カンナビノイドの分泌量やカンナビノイド受容体の数や感度が狂い、コミュニケーションに不調が生じることがあります(図の①②)。この状態が長く続くと、神経伝達物質の放出に過不足が生じ(図の③)、筋痛症、神経痛、頭痛、認知不要、うつ、睡眠障害、過食など、さまざまな不調を引き起こします。これは臨床的カンナビノイド欠乏症と呼ばれます。

CBDはカンナビノイド受容体の活性を調整して、内因性カンナビノイドの受け入れを適正化します(図の①)。この仕組みによって神経伝達物質の放出を適正に保ちます(図の②)。CBDはこのように細胞間のコミュニケーションを修復して正常化する働きがあります。

一方で生活習慣を改善し、内因性カンナビノイドや受容体の量を増加させる努力も必要です。この中にはランニング・ウォーキングなどの運動や、鍼灸、ヨガ、瞑想などのストレスマネジメントが含まれます。

カンナビノイド受容体にはCB1受容体とCB2受容体の2種類が存在します。これらの受容体は全身に分布しているため、CBDの幅広い効能が期待できます。

CB1受容体の活性化により期待される効果(図の黄と緑)

  • 不安の緩和
  • 血圧の低下
  • 腸の炎症の緩和
  • 気分の向上
  • 恐怖感などの緩和

CB2受容体の活性化により期待される効果(図の青と緑)

  • アルコール中毒やニコチン中毒の緩和
  • 食欲増進
  • 神経性疾患の緩和
  • 慢性的な痛みの緩和
  • 炎症の沈静化
  • リラックス効果