鈴緒(鈴縄)づくり(その1)

鈴緒(鈴縄)とは、神社の鈴を鳴らす縄のことです。しかし恥ずかしながら、鈴緒が麻で作られていることは知りませんでした。今回は9月に鈴緒づくりに参加してきたので、その様子などを紹介したいと思います。

写真は実際に私たちが作成して、神社に奉納される前に展示された鈴緒です(10月29日の「麻フェス in 徳島」にて展示)。

さて今回の鈴緒は、栃木県鹿沼市で400年の歴史を持つ麻農家、野洲麻紙工房さんが丹精込めて作られた精麻を使って作成されました。精麻とは、麻の皮から外皮を剥ぎ、内側の柔らかい内皮を取り出したもので、黄金色に輝きます。まずその美しさにびっくりです。朝9時に作業場に行ってみると、この精麻が作業台の上に大量に積まれています。

「柔らかい内皮」といってもこれがまだ結構硬いんです。これを一本一本、手でほぐしながら柔らかくしていきます。結構握力が必要で手が疲れます。

写真の母は「精麻をこうやってほぐしていると、心がとても安らぐ」と言っていました。

さて全ての精麻を手でほぐして柔らかくしたら、次に一定の太さに束ねて、その周りを極上の精麻で巻いていきます。

この極上の精麻は他とは明らかに違っていて、本当に黄金色なんです。一方で通常の(と言っては失礼ですが)精麻は若干色がくすんでいる感じです。なので通常の精麻で太さと強さを出して、極上の黄金色の精麻で巻いて仕上げていきます。

この極上の精麻は全体の10%程度しか取れないそうです。

このように3.5mほどの麻縄を3本作ります。

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